
2025年12月21日、新潟県新潟市のNINNOプレゼンテーションスペースにて、IT人材育成プログラム「新潟版未踏的育成事業 “ETSUZAN”」の成果報告会を開催しました。
2025年度に採択された7チームのクリエータが約4ヶ月間にわたり、プロジェクトマネージャー(PM)の伴走支援を受けながら進めてきた開発の成果を発表しました。
当日は現地およびオンライン(YouTube配信)を合わせて、約40名の方にご参加・ご視聴いただき、地方発のIT人材育成や、AI等の先端技術を活用したプロジェクトの可能性に、高い関心が寄せられました。
【メディア掲載のお知らせ:当日の様子とこれまでのクリエータの歩み】
TeNYテレビ新潟「新潟一番」県内ニュースにて、成果報告会当日の様子と、これまでのクリエータの歩みを特集していただきました。
番組タイトル:【ガタトピ】若者たちの挑戦 IT人材プロジェクトに密着!専門家がうなるアイデアの数々とは《新潟》(2026年1月30日放送)
掲載先(YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=LLsKAEKmDJ4
番組タイトル:【特集】若きクリエイターの発掘・育成 ITを武器に“技術で世界を変える”ユニークなアイデアの数々とは《新潟》(2026年2月17日放送)
掲載先(YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=ulQk-cbZQ9w
ETSUZAN(越山)は、新潟県を対象とするIT人材発掘・育成プログラムです。「NOT、ビジコン。奇人、求む。」を合言葉に、新潟から世界を変える人材を発掘し、開発に没頭できる環境を提供します。地方では、夢中になって開発に取り組める場が少なく、経験格差が広がっているのが現状です。ETSUZANはこの課題を解消するために、新潟県内の企業・自治体・大学などが一体となって取り組み、若手クリエータが挑戦できるエコシステムを築いています。
成果報告会が近づくにつれ、Slack上では連日遅い時間帯までクリエータとPMによる細かな最終調整が行われていました。
成果報告会前日の12月20日には、クリエータおよびPM、事務局がNINNOに集合し、本番を想定したプレゼンテーションを実施しました。PMや事務局からは、限られた時間でストーリーを伝えるための表現の工夫や、デモの演出に至るまで、具体的かつ実践的なフィードバックが送られました。
「どの課題を、誰に向けて届けたいのか」「最後に、どんな未来を描いて終わるのか」
その一つひとつの問いを通して、プロダクトの価値はより研ぎ澄まされていきました。

リハーサル後も調整は続き、発表資料の修正やデモの改良に向き合う姿が見られました。限られた時間の中でも、最後の最後までより良いものを目指し、対話と試行錯誤を重ねる姿が印象的でした。

この約4か月間、クリエータは技術検証やプロトタイプ開発、ユーザー視点での改善などに取り組み、それぞれのプロジェクトと真摯に向き合い続けてきました。
成果報告会は以下のスケジュールで行われました。
12:30〜 受付開始
13:00〜 オープニング
13:10〜 トークセッション
13:30〜 クリエータ成果発表(全7チーム)
14:30〜 休憩
16:00〜 クロージング/修了証授与
16:20〜 終了/自由交流(ブース出展)
オープニングでは、ETSUZAN代表で未踏修了生でもあるSocialups株式会社代表取締役社長の髙瀬章充より挨拶が行われました。

髙瀬は、自身の山登りの体験を例に「八合目から山頂が最もきついが、登り切った先にこそ景色がある」とETSUZAN(越山)という名称に込めた思いを振り返りました。
また、成果報告会は“ゴール”ではなく次の挑戦へ向かう通過点であることを強調し「今日は9.5合目。ここまで来たクリエータとPMを、ぜひ応援してほしい」と会場に呼びかけました。
成果報告に先立ち「地方におけるIT人材育成事業の魅力」と題したトークセッションを実施しました。
セッションでは、経済産業省で未踏・AKATSUKI事業を統括する菊池龍佑氏、イードア新潟支社長でNINNOの開発を担う石川翔太氏、モデレーターとして、髙瀬が登壇しました。

菊池氏からは未踏事業およびAKATSUKIプロジェクトの概要が紹介されました。
地方からの挑戦者がまだ少ない現状に触れつつ「地域にも必ず尖った人材はいる。だからこそ地方での取り組みが重要である」と、国として若手の挑戦を後押しする姿勢を示しました。

続いて石川氏は、ETSUZANが地域にもたらす意義について語りました。
新潟が内閣府のスタートアップ拠点都市に採択されるなど、国の施策と連動した環境が整いつつあることに触れ「今こそ地方から新しい挑戦が生まれるフェーズに入っている」と話しました。また、ETSUZANが地域と全国をつなぐシームレスな挑戦のチャネルとなっている点にも触れ「この場に立っているクリエータは、その環境を利用する権利をすでに手にしている」と、エールを送りました。

後半は「ETSUZANの現場で見えてきた若手の変化」をテーマにセッションが行われました。
生成AIによって開発スピードやプレゼンテーションの質が向上したと感じる一方で、使い方次第では人が考え抜く工程が省略されるリスクがある点を指摘。
「最終的に判断し、細部まで向き合うのは人である」ことや「こだわりを持って作り切る姿勢こそが未踏的な挑戦である」ことが共通の認識として語られました。
セッションの最後には、成果発表会の見所と、クリエータへメッセージをいただきました。
菊池氏は「クリエータ一人ひとりのこだわりこそが見どころ」とし、クリエータには「成果報告会は中間地点。まずはここまで来た自分たちを称え、思い切ってフルスイングしてほしい」と激励を送りました。
石川氏は「秘密基地をのぞくようなワクワク感」と例え、大人や社会が当事者として関わることで生まれる楽しさや広がりに言及しました。

成果発表では、7チームがETSUZAN期間中に取り組んできたプロジェクトの成果と今後の展望を発表しました。短期間ながら、AIなどの先端技術を活用することで、具体性の高いプロトタイプや成果物が次々と形になっている点が非常に印象的でした。
▼ピッチ動画をyoutubeでご覧いただくことができます
https://youtu.be/PCIbYSYGWrI

Yukiwariは、塾講師の「問題探し」を大幅に削減する無限問題生成システム「モンジェネ」を開発しました。生徒の誤答パターンに応じて類題を自動生成することで、教える時間を増やす仕組みを構築しました。今後は数学以外の科目や高校入試以外の定期テスト、大学教材の作成など、さまざまな学習環境への応用も検討しています。
モンジェネに関するお問合せ→ 専用お問合せフォーム
▼ピッチ動画をyoutubeでご覧いただくことができます
https://youtu.be/zuoUKD0rxbU

「faatto」は、公共空間でのデザインプロセスを効率化する補助アプリです。従来、現地確認や材料算出、参加者との調整に多くの時間を要していたプロセスを、アプリ上で可視化・管理できるようにしました。今後はプロジェクトごとに特化したアプリを作成し、より多くのイベントで独自のアイデンティティ形成していきたいと話しました。
▼ピッチ動画をyoutubeでご覧いただくことができます
https://youtu.be/_8UoPlmEeoI

「どこでもIoT」は、多種通信対応のプラットフォームです。用途に応じてソフトウェアを変更するだけで、毎回ハードウェアを作り直す必要がなくなる柔軟性が特徴です。期間中には、車両データの遠隔モニタリングなどの実証も行いました。今後は通信の冗長化に加え、誰でも利用・改良できる形で公開し、用途を広げていくことも目指しています。
▼ピッチ動画をyoutubeでご覧いただくことができます
https://youtu.be/a9fYpgyaMpo

R.O.U.V.I.Sは、農家が直面する作業スケジュールの管理や病害管理を支援する生成AIアプリです。期間中には複数の農家や自治体へのヒアリングを通じたプロトタイプ検証をすすめました。今後はユーザーを増やすことで、各作物の育て方の知識を学習・蓄積させ「日本一の農業知能データベース」の構築を目指します。
▼ピッチ動画をyoutubeでご覧いただくことができます
https://youtu.be/aapKbxONYLY

「ここ声」は、音声と位置情報を活用して、過去の体験や記憶を呼び起こすアプリです。期間中は、音声の録音・編集機能や、録音データを地図上に表示する機能を開発しました。これにより、時間や場所ごとの音声を振り返りながら、自分の体験を追体験できるプロトタイプが完成しました。今後は、音声の共有機能を追加するなどし、他者の音声も取り込みながら、より豊かな体験を提供できるようにする予定です。
▼ピッチ動画をyoutubeでご覧いただくことができます
https://www.youtube.com/watch?v=mXnyuoUADzQ

「Smooth Forms」は、在留外国人が日本での生活を始める際の書類手続きや行政手続きを支援するアプリです。ユーザーの状況に応じて必要な手続きや提出物をリスト化し、カレンダーで提出期限を管理できるほか、行政手続きに加え、スマホ契約などの民間手続きにも対応しています。期間中は、留学生33名を対象にプロトタイプの実証を行いました。今後は2026年から留学生向けに本格運用を開始し、将来的には企業や新潟県内での普及を目指しています。
▼ピッチ動画をyoutubeでご覧いただくことができます
https://youtu.be/noTHRUNfiwA

「Sakescope」は、日本酒に特化したAIソムリエアプリです。ユーザーの好みやシチュエーションに応じて日本酒を提案し、そのままECサイトで購入することができます。すでに県内の酒造会社の協力もと、実際の商品データを使って提案機能やギフトモードのプロトタイプを動作させています。今後は、対応するECサイトや銘柄を増やすなど、提案精度の向上を目指します。
サービスURL: https://sakescope.atoriba.jp/
*お問合せは、ETSUZAN事務局宛にお願いいたします。
PMやメンターからは具体的な助言や激励が飛び交い、チームの今後の挑戦や学びへの意欲が高まる活気のある場となりました。


約4か月間の開発期間を経たクリエータに、担当PMより修了証が送られました。


最後に、PMをつとめた合同会社大人検索の新田洸平氏より閉会の挨拶がありました。

「やりきるガッツが伝わり、私自身も楽しい時間だった」と振り返る新田PM。さらに「今回築いた関係は、今後も切磋琢磨できる財産」と続け、クリエータ同士のつながりや、PM、メンターなど、ETSUZANを通して関わった全ての方とのコミュニティの価値について触れました。
また「今回の経験はあくまでスタート地点。これからも何度もチャレンジし、より良いものを生み出してほしい」とエールを送り、成果報告会を締めくくりました。
成果報告会終了後は、交流会が行われました。


各チームのブース展示を見ながら、情報交換やさらなるコミュニケーションを深める場となりました。


クリエータの挑戦は始まったばかりです。
今回のETSUZANでの経験を糧に、今後も新たな挑戦を続け、さらなる成果を生み出していくことが期待されます。

ETSUZANにおけるこれまでのクリエータの歩みは、以下よりご覧いただけます。
▼採択されたクリエータの詳細
【ETSUZAN2025】採択クリエータが決定!
https://etsuzan.org/posts/creator2025-information
▼ブースト会議の様子
【レポート】ETSUZANブースト会議を9月6・7日に開催
https://etsuzan.org/posts/boost-meeting-2025
▼八合目会議の様子
【レポート】ETSUZAN八合目会議を10月25・26日に開催
https://etsuzan.org/posts/hachi-meeting-2025
ETSUZANは、NINNO(新潟市)を中心としたスタートアップコミュニティや、大学・教育機関が集積する長岡地域など、新潟県内の多様なエコシステムと連携しながら実施されます。県内全域を対象に、若手クリエータの挑戦を支え、地域横断的なネットワークと起業家精神の醸成を目指しています。
◾️運営事務局
Socialups株式会社、株式会社Wakumi、株式会社イードア、株式会社テレビ新潟放送網
◾️後援
長岡市、新潟市、新潟県
◾️お問合せ先
info@etsuzan.org
◾️ETSUZAN 公式情報
ウェブサイト:https://etsuzan.org/
X(旧Twitter):https://x.com/etsuzan_org
Instagram:https://www.instagram.com/etsuzan_org/